2016年12月15日
「家族の力」 教頭 石川 裕
本年度の全国学力学習状況調査の「生徒質問紙」(生徒の生活状況を把握するための調査紙)に、「あなたは、1日あたり1時間以上、携帯電話やスマートフォンで通話やメール、インターネットをしていますか。」という質問がありました。
皆さんのお子さんは、通話やメール、インターネットにどのくらいの時間を割いていますか。
ちなみに、本校(3年生)で、この質問に「はい」と回答した生徒は、41.5%いました。これは、本校の3年生243人のうち100人(割合にして5人に2人)が「はい」と回答したことになります。
学校から帰宅し、就寝するまでの時間は限られています。そのうちの1時間以上、通話やメール、インターネットをしているということは、勉強する時間や家族とともに過ごす時間がそれだけ削られているということではないでしょうか。
ある研究者は、お子さんが家庭における限られた時間をどのように使うかによって、脳に大きな影響があると言っています。その方によると、子どもが親と話をしている時、子どもの脳はとてもよく働いているのだそうです。
逆に、ゲームの怖さを訴える書籍によると、ゲームをし続けた子どもは、そうでない子どもと比べ、大脳の前頭葉の働きが鈍くなるのだそうです。人間の前頭葉は、他者に対しての思いやりや想像力を司る部分であり、様々な思考を連動させるもっとも知的な活動部分のため、ゲームをし続ける行為は、その働きを鈍くさせることになるとのことです。
そこで、お子さんの脳をより活性化するためにも、各家庭において、次の点を心がけてみてはいかがでしょうか。
○家庭生活における携帯電話やスマートフォン、ゲーム機等の使用ルールについて、親子で話し合う時間をもちましょう。時間を決めたり、使用する場所を決めたりするのも、よいかもしれません。
○意識して親子で会話する時間を設け、共通の話題を見つけ出しましょう。家族のチームワークを高めるための秘訣は、親子のコミュニケーションです。お子さんの興味がどんなことに向いているかを知るよい機会にもなると思います。
○子どものよき伴走者になってあげてください。子どもは、自分の行動を認められたり、誉められたりすれば、自己肯定感が高められ、次への行動のエネルギーを蓄えます。日頃から、子どもの様子に関心をもち、時どき(「頑張れ」「頑張ってね」ではなく)「頑張っているね」と声を掛けてあげてください。
私も二人の子どもの親です。自分自身も上記のことに心がけ、自分の子どもと話をしたり、声をかけたりしてみようと思います。
最後に、今年もあと半月ほどとなりました。来年も皆様にとって実り多きよき一年となりますことを心よりお祈り申し上げます。
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